詩を思いながら



まだ眠りにつく前の闇のなかで、空気の 
動きのようなものを感じる、それは、かすかに響く音 
どこからやってくるノイズだろう? 
乱立した障壁をつたって 
やってくるのは、詩だろうか?
微睡みのなかで、わたしは再び自問する 
もうそんなことは忘れて、
ただ時のなかに漂没したくなる 
だが、可能だろうか?
瞑目したまま、思いを巡らす 
言葉とともに、無言のままの闇のなかへ入っていく。
半ば眠りながら、言葉やビジョンを受けとる 
そのかすかな眠りは、
たとえば、街を歩いているときにもやってくる。 
覚醒しながら、わたしは眠っている 
あるいは、それは音楽のように、漂いながら
わたしを浮遊させている 
そのとき、わたしは何かにつながっている。
吹き過ぎる風のようにあるとしても 
言葉にすれば、それを見失う 
満ち足りなくとも、声は隠蔽しておきたい。
嵐が近づいているのか?
時折、とりとめのない考えが切断され 
自分にも意味のわからないフレーズが、落ちてくる 
果実ほどの質量をもったものとして、それは 
わたしの思考から切り離されている。
その果実は苦く、あるいは哀しく、ときに甘いが、 
わからないもの、役に立たぬものは捨てるべきなのかと 
自問し、欲求は高まり、
しばしば明確な意味に遭遇して、詩は消滅する。
                            
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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