変節
私の根は、この上なくいびつな恍惚で
両足から地下の闇に繋がっている
冬の日が高い梢の上に現れると
日々の痕跡から逃れることができるようだ
直線的な影が私の頭上で交差する
鳥たちは飛び立つ
身支度しながら私は一つの計画に固執している
切り落とした枝をかき集めて
木々の根元に積み上げてゆく作業の行方
人知れずある赤い結実の意味を
私には容易に想像することができない
朽ち葉が擦れ合う音を記憶する
ありとあらゆる真実らしきものを
冒涜しているのではないかという不安と
私の根は、この上なく不可解な怒りで
両手から地上の光に繋がっている
不意に雨が降りだし、一段落すると
日差しに照らされることがあった
一日のごとく秘密めいた夢をみている
蕾の色のつよさをみつめながら
私は足元の塵を拾い集め、ひこばえを刈る