あらゆる問いのなかで降誕祭が囁かれる
現世のシラブルをはかりながら
振幅の変調をつづけるオルガンのコ−ドが溢流している

自らを幽閉するに足るだけの
叡知さえあれば
背教者のみつけた真実を
もとめることもなかったろう
テーブルの上で燭影が揺らぐ
風雨に晒され 灰に変色し、
ひび割れたその木肌に
黒い米粒ほどのつややかな昆虫が飛来し、
そして翔び去っていった



あらゆる問いのなかで降誕祭が囁かれる(抜粋)
─ 詩集「ソネット <エンディミオン> 」より─



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